新しくウェブサイトを制作するときに必要なもののひとつに、ドメインがあります。企業のウェブサイトはもちろん、個人でブログを開設する際にも必要になるため、読者の方の中にも「ドメインを取得したことがある」という方は少なくないかもしれません。
しかし、「ドメインとはいったいなんなのか?」と聞かれてパッと答えられる方は多くないでしょう。
ネットで検索すると「ドメインは住所」とよく説明されていますが、これはどういうことなのでしょうか。
また、ドメインはウェブサイトだけでなく、メールアドレスでも使われる用語です。ウェブサイトのドメインとメールアドレスのドメインは違うものなのでしょうか?
この記事は、そんなドメインについて解説します。自社のウェブサイトの管理を担当している方や、新しいウェブサイト立ち上げに携わる方のお役に立つ情報ですので、ぜひご覧ください!
目次
ドメインとは?
ドメイン(domain)はよく「住所」に例えられますが、本来の意味は「領地」や「領土」です。
インターネット上には無数のウェブサイトが公開されているため、ひとつひとつのサイトを区別するためにドメインが利用されています。
この「イーラボ!」というメディアの場合は、「e-lab.media」という文字列が独自のドメインです。Googleの場合はgoogle.com、Yahoo! JAPANの場合はyahoo.co.jpです。
新しくウェブサイトを公開する場合は、新規にドメインを取得するのが一般的です。
ただし正確には、ドメインがなくてもウェブサイトは機能します。インターネット上の住所は、IPアドレスでも判別可能だからです。
IPアドレスとは?
IPアドレスはインターネット上のコンピューターを識別するための番号です。コンピュータやスマホといった機器の、インターネット上の住所を表しています。
ウェブサイトも実体はサーバーと呼ばれるコンピュータの中に置かれたファイルに過ぎません。サーバーのIPアドレスをブラウザに入力すれば閲覧できます。(サーバーでアクセス制御がされていない場合に限ります)
しかし、IPアドレスは255.255.255.255といった数字の羅列であるため、人間には分かりづらいです。もし、世界中のウェブサイトにドメインがなく、IPアドレスを知らないとアクセスできないとしたら、とても不便ですよね。
このため、人間にもわかりやすいドメインがIPアドレスに関連付けられ、ウェブサイトの住所として利用されています。多くのインターネット利用者は、IPアドレスを特に意識する必要はありません。そのため、細かい説明は省いて、「ドメインは住所」と説明されているわけです。
メールアドレスのドメインとは?
ウェブサイトにおけるドメインとIPアドレスについてはお判りいただけたと思います。では、メールアドレスのドメインはどうでしょうか?
メールアドレスの場合、アットマーク以降にウェブサイトと同様のドメインが使われています。例えばGoogleのメールアドレスは、example@google.comといった具合です。
では仮に、sample.comという独自ドメインを取得した場合を考えてみましょう。
おさらいになりますが、sample.comをサーバーのIPアドレスに関連付けた上で、必要なファイルをサーバーにアップロードすれば、http://sample.comというアドレス(URL)でアクセスできます。
メールアドレスを利用する場合はドメインとサーバーの関連付けの後、メールアカウントを発行します。(メールアカウントの詳しい発行手順はサーバーごとに異なります。サーバーごとに用意されているマニュアルを参考にしてください。)
今回の例では、サーバーでexample@sample.comというメールアカウントを発行すれば、このメールアドレスが利用できるようになります。
つまり、ウェブサイトのドメインもメールアドレスのドメインも、IPアドレスとドメインが関連付けられている点は同じです。
1.サーバーとドメインを関連付ける。
→ドメインを含んだURLでサイトへアクセスできるようになる。
2.サーバーとドメインを関連付けた上で、メールアカウントを作成する。
→ドメイン名を含んだメールアドレスが利用できるようになる。
(厳密にはサーバーはウェブサーバーとメールサーバーといったように役割が分かれていますが、レンタルサーバーを使う場合は、サーバーの違いを意識しなくても利用できます)
サーバーの引っ越しやドメインの変更について
最後に、サーバーの引っ越しやドメインの変更についても解説いたします。
サーバー引っ越し時のドメインの取り扱いについて
コーポレートサイトのリニューアルなど、ウェブサイトを作り直す際には、新しいサーバーへの引っ越しが珍しくありません。
こうしたプロジェクトの検討段階では「サーバーを変更しても、ドメインは引き続き利用できますか?」という質問をよくうかがいます。
この場合、元のドメインをどのように取得したかを確かめる必要があります。
多くのレンタルサーバー業者はサーバー契約に合わせて、ドメインの管理サービスも提供しています。もし、提供されているドメインが他のサーバー業者で利用できないサービスである場合、残念ながら新しいサーバーへの関連付けはできない可能性があります。
特に制限がなければ、ドメインが関連付けられているIPアドレスを、現行サーバーから引っ越し先サーバーに変更すれば、ドメインを引き続き利用できるはずです。詳しくは現行サーバーと引っ越し先サーバーのカスタマーサポートにも問合せるようにしましょう。
ドメイン名の変更について
ドメイン名の変更についても質問を受けることがありますが、ドメインは世界で一意の住所を示すものですので、変更できません。
どうしても変更したい場合は、新しくドメインを取得した上で、元のドメインへのアクセスへの対応が必要になります。ただし、こういった方法はユーザーを混乱させるため、推奨できません。
ドメイン名は変更できないため、最初に取得するときによく考え、長く利用できるドメインを選ぶようにしましょう。
まとめ
この記事ではドメインについて解説いたしました。
普段はドメインの仕組みや契約の状況など意識する必要はありませんが、ウェブサイトのリニューアルの機会には、必ず話題に上がります。
もし自社のサイトリニューアルの担当を任された際に、ドメインやサーバーのことがわからなければ、まずは契約状況を確かめてみてください。レンタルサーバー業者の多くはサポートしてくれます。もし、直接やりとりが難しく感じる場合は、リニューアルを依頼する制作会社に相談してみても良いでしょう。
この記事がお役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!