「せっかく採用サイトを作ったのに、なかなか応募が増えない。」
「採用サイトへの流入はあるけど、応募数は期待したほどの成果が出ていない。」
こんなお悩みを抱えている採用担当の方はいませんか?
もしかすると、応募フォームの最適化ができていないのかもしれません。
求職者にとって、応募フォームの入力は簡単ではありません。とにかく片っ端から応募する方は稀でしょう。
応募ボタンをクリックする前に、会社について調べ、他社と比較検討するなど、情報整理と心の準備が済んでようやく応募フォームの入力に進みます。
そんな場面で、応募フォームが入力しづらいと、応募完了前に離脱してしまうかもしれません。実はフォームは、ウェブサイトから離脱する大きな要因となっており、さまざまな改善ポイントがあるのです。
せっかく自社に興味を持ってくれた求職者とは、ぜひ話してみたいですよね。そのためにも、応募フォームについて改めて理解を深めておきましょう!
この記事では採用ページの応募フォームを最適化する、EFOについてわかりやすく解説しています。採用サイトの改善に役立つ情報ですので、ぜひ最後までお読みください!
目次
EFOとは?
まずはEFOの定義を確かめておきましょう。
EFOとはEntry Form Optimizationの略称です。日本語では「入力フォーム最適化」と訳されます。ウェブサイトに関する用語には似たような用語、SEO(検索エンジン最適化)やLPO(ランディングページ最適化)、があるため、これらと合わせて語られることが多いです。
EFOはウェブサイトを改善する際には、必ず考慮したい重要な観点です。「お問い合わせ」「会員登録」「求人応募」など、フォームはどんなサイトでも目にするので、簡単に考えられがちですが、実は奥が深い要素です。独自に開発したフォームを商品化して販売している企業もあるくらいです。
Webの世界を支えている技術の進化は早いため、適切なフォームは時代の流れとともに変化していきます。EFOは、機能的は改善はもちろん、デザインやユーザー心理まで考慮してフォームを改善していくことになります。
EFOの重要性
続いて、EFOの重要性について詳しくみていきましょう。なぜEFOが重要なのかを理解するためには、以下の2点について理解しておく必要があります。
それは、「ウェブサイトにおけるフォームの役割」と「EFOを疎かにしている場合のデメリット」です。
ウェブサイトにおけるフォームの役割
多くのウェブサイト(特にコーポレートサイトなど)では、フォームはそのウェブサイトの目的と結びつけられています。ウェブサイトのゴールとなる指標をCV(コンバージョン)といいますが、「フォームからの受付」は典型的なCVです。
例えば、自社のサービスを紹介するサイトの目的とCVを仮定すると、以下のように設定できます。
ウェブサイトの目的:「自社のサービスを紹介し、新規顧客を獲得する」
CV:「フォームからのお問い合わせ受付数」
採用サイトも同じように、目的やCVを考えられます。
採用サイトの目的:「求職者に自社のことを知ってもらい、マッチする人材に応募してもらう」
CV:「フォームからの応募受付数」となります。
(上記はあくまで例であるため、目的やCVは自社の採用計画に合わせて変化させてください。)
このように、フォームはサイトの目的達成の最終段階に位置づけられています。ユーザーからすると最後のひと仕事というわけです。
EFOが疎かになっている場合のデメリット
ウェブサイトにおけるフォームの役割がとても重要なことがわかりました。では、フォームが適切に設計されていなかったらどうなるか、考えてみましょう。
- 入力の項目数の多さに嫌気がさしたユーザーは、そもそも入力する気にならないかもしれません。
- 郵便番号や住所の入力がわずらわしく感じたユーザーは、途中でページを閉じてしまうかもしれません。
- 応募ボタンを押したあとによくわからないエラーメッセージが表示されたユーザーは、応募自体を取りやめてしまうかもしれません。
- スマートフォンでの操作に対応していなかったら、応募完了に至らないかもしれません。
このように、フォームはユーザーにストレスを与える要因を多くはらんでいます。ひとつひとつは些細なことでも、積み重なることでページを離脱する理由になってしまうかもしれません。だからこそ、できるだけユーザーの負担にならないように、配慮し、最適化する、EFOが重要なのです。
適切なEFO施策は、ウェブサイトの目的達成に貢献します。ウェブサイト運用担当の方や、採用の担当の方は、ぜひ自社の応募フォームを見直してみてください!
EFOの具体例
EFOの重要性がわかったところで、具体的なEFOの実践テクニックを紹介していきます。
入力項目は必要最小限に
フォームの入力項目はできるだけ少なくしましょう。受付担当としては、「できるだけ多くの情報を取得できた方が楽」と感じられると思いますが、ユーザーにとっては負担が大きいです。
項目数が多く、縦に長いフォームや、数ページに分けられたフォームは途中離脱の原因になります。このため、応募完了までのハードルが下がるように配慮できると良いでしょう。
また、応募者の詳細な情報は必ずしも応募フォームで取得する必要はありません。受付後に電話やメールでのやりとりが予定されているようであれば、その機会に追加の情報を得ることもできます。
まずはより多くのユーザーが入力完了できるフォームになるように、入力項目ひとつひとつが本当に必要かどうか、精査すると良いでしょう。
入力された値は保持する
フォームによっては、応募ボタンを押した際にエラーがあると、入力した値が消えてしまうものがあります。せっかく苦労して入力完了したにもかかわらず、また同じ作業を繰り返す必要が発生するため、ユーザーにとってはストレスです。
このため、入力された値が保持される機能が実装されたフォームを設置しておくと良いでしょう。
フォームの改修には専門知識が必要となりますが、まずは自社のフォームがどのように機能しているのか確認してみることが重要です!
必須項目のデザインはわかりやすく
どのようなフォームであっても、入力が必須の項目はひとつはあります。一般的に、必須項目が未入力の場合は、エラーメッセージが発生するようになっています。しかし、そもそもユーザーが必須項目を見落としやすいデザインになっている場合は改善が必要です。
よくある例として、ラベルの横に「*」を付けているデザインがあります。しかし、すべてのユーザーが、「*」が「必須項目を意味している」と伝わるとは限りません。小さな記号であるため、見落とす可能性も高いです。
このような抽象的な記号は控え、「必須」と明記されたマークを項目の近くに設置するなど、誰が見てもわかるようなデザインになっていると良いでしょう。
答えにくい項目を用意しない
応募フォームでは、ユーザーが答えることに抵抗を感じる項目を設置するのは控えましょう。
フォームは個人情報を取り扱うことになるため、基本的には個人情報保護方針に同意いただいた上で情報を送信してもらいます。昨今では、個人情報を提供することに対して警戒心を持つ人が増えています。このため、必ずしも必要でない情報は、入力項目から除外しましょう。やむを得ず項目を設ける場合でも、ユーザーの心理に配慮する必要があります。
代表的なセンシティブな入力項目に、「年齢」や「性別」があげられます。
年齢は具体的な数値の入力ではなく、「20代」「30代」といった具合にアバウトな回答の選択式にするといった配慮が可能です。
性別は、「女性」「男性」「その他」「答えたくない」といった具合に、選択肢の順序を変更したり、曖昧な回答が許容される傾向です。
どのように配慮するべきかは一概には言えず、会社によって違ってきます。ですが、まずは「本当に答えてもらう必要があるのか?」と問うてみることが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事ではEFOについて解説しました。
どこのサイトでも見かけるフォームですが、ユーザービリティを追求していくと、奥が深いものであることを感じ取っていただけたのではないかと思います。
一見すると、地味に感じられるウェブサイト改善施策なため、EFOが考慮されていないウェブサイトが多いと感じるのが筆者の実感です。
その分、競合他社との差別化や、ユーザー体験の向上への影響が大きいとも感じます。ウェブサイトの目的やCVへも貢献する効果的な改善施策なので、検討する価値は充分あります!
この記事が、応募フォームを見直すきっかけになれば嬉しく思います。最後までお読みいただきありがとうございました!