EVPという言葉をご存知でしょうか? Employee Value Proposition、日本語では「従業員価値提案」と略されるEVPですが、「聞いたことがない」という方が多いと思います。
しかし、採用に携わっている方であれば、EVPを知っておいて損はありません。採用活動や採用サイトを見直す上で、役に立つ考え方です!
この記事ではそんなEVPについて解説します!
目次
EVPとは?
まずはEVPの定義を改めて確かめておきましょう。
冒頭に述べたようにEVPとはEmployee Value Propositonの略です。2000年代に提唱された雇用主ブランディング(employer branding)の一部とされています。その目的は、有望な従業員を自社に惹きつけたり、競争の激しい採用市場での人材獲得とされています。
日本語では「従業員価値提案」と訳されます。もう少しわかりやすく表現すると「会社が従業員に対して提供できる価値」です。
日本では長年、多くの企業が終身雇用を保障してきました。同時に、「愛社精神」が尊重されてきました。そのため、「会社が従業員に対して提供できる価値」といった観点が新鮮に感じられる方も少なくないと思います。
しかし、時代が移り変わりとともに、転職が肯定的に受け入れられるようになりました。働き方改革が謳われ、フリーランスやパラレルワーカーといった「ひとつの会社に依存しない働き方」を選ぶ人も増えています。また、将来的な起業を目指しつつ、敢えて会社員として働くことを選ぶ若者も少なくありません。
こうした状況から、求職者が就職先を選ぶ判断基準は多様化しています。
求職者目線で考えたときに、どのようなことがEVPとして示せるのか。
改めて自社の魅力を問い直すことが重要です。
EVPの要素
EVPの中身についても見ていきましょう。
給与と報酬体系
時代が変わっても給与や報酬体系は重要です。近年では、より詳細な情報を提供する企業が増えています。
- 職種ごとの給与
- 賞与の回数
- 賞与の実績
- インセンティブ制度
- 各種手当
こういった情報は可能な限り具体的に記載できるとよいでしょう。
また、コロナ過に応じた手当など、世の中の急激な変化に対応した制度があれば、ぜひ発信しましょう。
キャリア開発と成長の機会
働き方が多様になるに連れて、重要度が高まっているのがキャリア開発や成長の機会です。詳しい教育研修制度の紹介があれば、求職者は入社後の姿をより具体的にイメージできます。
また、キャリアプランを明示するのも良い施策です。入社後どれくらいの期間でどのようなキャリアを築けるのか、先輩社員へのインタビューなど織り交ぜ、実例を示すと良いでしょう。
ワークライフバランスとフレキシブルな働き方
フレックスタイム制、残業時間削減など、従業員の労働負担を軽減する取り組みは積極的にPRしたいところです。他にも、独自の特別休暇制度があれば、特徴として打ち出すとよいでしょう。
特別休暇の取得条件の説明だけでなく、なぜそのような制度を設けたのか、経緯や会社代表者の想いを紹介すると、価値観の面でも人材を惹きつけられるので、マッチング精度向上が期待できます。
企業文化と価値観の一致
これまで述べてきたように、自社の制度や仕組みを詳しい紹介は、採用活動においてとても有効です。加えて、重要なのが職場の雰囲気や一緒に働く人の様子です。
社風や社員の人柄は、実際に一緒に働いてみるまではわかりにくいです。入社後のギャップが最も生じやすい部分とも言えます。だからこそ「普段どんなことを大切にして働いているのか」「苦労しているところはなにか」などは、正直に伝えたほうがいいでしょう。
苦しいことも伝えることで、仕事のやりがいに説得力が生まれ、会社への信頼感にも繋がります。
まとめ
この記事ではEVPについて解説しました。
Employee Value Protpositionや従業員価値提案と聞くと、なんだか難しいことのように感じられるかもしれませんが、簡単に言えば「会社が従業員のためにしてあげられること」です。
自分の所属している会社は素晴らしいと思っていても、それを言葉にして伝えなければ求職者には響きません。
情報が溢れる現代においては、競合他社も自分たちの魅力を積極的にアピールしています。そんな中で、「自社は従業員にとってどんな価値を提供できているだろうか?」と考えることはとても大切です。
自分たちは当たり前になっていたけど、求職者からすると魅力的に感じられる、隠れた自社の価値が発見できるかもしれません。この機会に自社のEVPについて社内で話し合ってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!