採用を成功に導くプレゼンとは!ビジョンの活用が採用ミスマッチを防ぐ。

皆さんの会社では、どのような採用戦略で将来の仲間を採用しているのでしょうか。そこにミスマッチは発生していませんか?

時間とコストをかけてようやく採用に至ったにも関わらず、1年足らずで退職に至った。そんな経験も少なくないのではないでしょうか。

減ることのない採用ミスマッチをどうしたら解消できるのか、どうすれば継続的なパフォーマンスを発揮して会社の成長に繋げることができるのか。長年にわたり採用サイトの企画や制作に携わってきた筆者とそのチームメンバーは、「ビジョン採用」という一つの答えに辿り着きました。

ビジョンを取り入れ、入社後のパフォーマンスを圧倒的に向上させるビジョン採用という採用戦略、それをプレゼンによって採用希望者に効果的に訴求する方法について解説したいと思います。

ビジョンって何だろう?

ネットで検索するとミッション、ビジョン、バリュー、パーパスなど、様々な経営方針の要素が上がってきます。

これらの要素は組織の方向性を定めて目標を達成するためのとても重要な要素となります。その中のひとつである「ビジョン」ですが、自分は何者で、何を目指し、何を基準に進んでいくのかを明らかにすることです。

即ち、そこで働く人々が全員目的を理解し、目指すべき会社の未来の姿を鮮明にイメージしており、どんな価値観を尊重してそこを目指せば良いかを理解する。

それがビジョンだと言えます。

ビジョンが明確だからこそ、働き手は有意義な仕事ができてやりがいに繋がり、自らの存在意義を見出せるです。

採用とビジョンの関連性

ビジョンを理解したところで、ビジョンと採用の関係性について見ていきましょう。

先ずはこれまでの採用を振り返ることにします。

履歴書やレジュメを見ながら、何がやりたいのか?どんな貢献ができるか?これまでどんな経験を積み、どんな成果を上げてきたのかなどを採用希望者から引き出しています。

一方で会社からは、全体の事業概要や事業戦略などを伝え、人材が必要となった当該部署の事業詳細、そして人材が必要な理由を述べて、採用希望者への理解を深めようとしています。

この採用希望者は、当社が必要とする職務遂行能力はあるのか?十分なスキルは身につけているのか?本気でやる気はあるのか?をチェックしながら採用希望者をスクリーニングしています。

これから仕事をしていくのだから、業務をこなせるかどうかをチェックすることは正しいと思います。

しかし、果たしてそれだけで良いのでしょうか?

職務遂行能力やスキルといったものは入社後に教育を行ったり、数年間働くことで誰でも一定度合いのレベルで身につけられることばかりです。入社後に身につけられるのであれば、採用時に時間をかけてマッチングする意味は、どこまで重要なものなのでしょうか。

それよりももっと重要なことは、「この会社が目指す姿には共感するものがある。だから一緒に成長していきたい。」「この会社の価値観は理解できる。長く働くことができそうだ。」と、会社の目的に共感してもらい、一緒に働いていこうという気持ちを持ってもらうことが必要なのではないでしょうか。

ここまでくれば、何となく採用希望者に何を示せば良いのかが想像できると思います。

そう、「ビジョン」です。

採用希望者にビジョンを示し、会社と個人の価値観をマッチングさせることが採用にとって非常に重要なことに繋がるのです。

そして私たちは、この採用手法を「ビジョン採用」と呼んでいます。

採用希望者にビジョンをプレゼンする!

採用とビジョンが繋がりました。後は何が必要となるでしょうか?

そうです。ビジョンをより魅力的な形で訴求することで、採用希望者の心をわしづかみにすること、即ちビジョンを採用希望者にプレゼンする必要があるのです。

人は提示されただけでは伝わりません。良いお話を聞くことができただけで、ビジョンが浸透しないばかりか理解にも繋がりません。

魅力的にそして聞き手である採用希望者の心に届くには、次の3つの要素が必要です。

論理的であること

理路整然とした説明が展開されると、聞き手はなるほどそうだよね!と納得して聞いてくれます。伝える情報を整理し、シンプルで分かりやすい言葉で伝える必要があります。

時には統計データなどを提示し、客観的な視点で話を組み立てていくことが求められます。

しかし論理があまりに強すぎると、往々にして温かみがなく不満を招き、極端に言うと偉そうと感じてしまうことから注意が必要です。

倫理的に正しいことであること

聞き手は、道徳的に正しいことをしている、社会と密接にかかわり貢献に繋がるからこそとても意義が高いことなんだ!と感じてもらうことが必要です。

他人への尊重や公平性、誠実さ、正直さ、責任感などの価値を重んじ、それに基づいた行動、つまり仕事をしていることを理解してもらうことで、心理的な負荷を軽減することに繋がります。

ただ、いくら正しいことを理路整然と説いたとしても、それが人の心に届くわけではありません。

情熱的であること

人の心に訴えかけるにはパッションなくして届くことはありません。

語りては、話す内容をよく理解した上で、且つ自らの言葉を用いて話さなければなりません。決してChatGPTで生成した文章をすらすら読んでも、それが人の心に届くことは無いでしょう。

自らの言葉を使って話すと、その言葉の裏にその人の自信を感じることができ、やがて本気度に変換されて心に響くこととなります。

抑揚をつけ、大切なところは精一杯の情熱をこめて大きな声で話す。まとめるところは冷静になって語りかけるように、聞き手に届く最小限の音程で話す。

これが出来ればその人なりの価値観が伝わりますよ。

まとめ

ビジョンという会社が目指す未来の理想の姿を採用希望者に伝えることは、入社後の職務遂行能力やスキルのマッチングを行うよりも重要なことです。

会社のビジョンに共感していただき、共にビジョンに向かって歩んでいこうという気持ちがなければ、どんなに優秀な能力を有した人でも、「こんなはずではなかったのに」というミスマッチに繋がってしまう可能性が高いです。

そして採用希望者の心に、会社の声を伝えるには、「論理的」「倫理的」「情熱的」の3つの要素が必要となります。

この3つの要素を構成するバランスは、その会社が目指すビジョンによって比率も変化するものだと思います。社内で何度もロープレを行い、最適だと思える自社ならではのバランスを見つけてみてください。

採用希望者に伝えようと頑張っている地道な努力は、きっと面接時において採用希望者の心をわしづかみにするプレゼンになると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆者プロフィール

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シミズ

e-Lab Co-cre Producer
広告代理店のWebプロデューサーを経てWEBコンサルティング会社を経営。
後に領域を超えて事業再生やM&Aを経験した後にGBSへと合流し、事業戦略の策定からWeb戦略との連携まで一貫したサポートを行う。
自然をこよなく愛し、マニアックな散策路の探索が趣味。