検索結果画面の表示に影響を与える構造化データは、SEOを考える上で重要な要素です。自社のウェブサイトに構造化データを記述すれば、より多くのユーザーから注目を集められます。
しかし、構造化データを扱うにはHTMLやJSON-LDといった専門知識が必要です。加えて、Googleのガイドラインに従う必要があるため、SEOの初心者には難しく感じられるでしょう。
その反面、うまく活用できればサイトへの流入アップが期待できます。
この記事ではそんな構造化データについて解説し、メリットや具体例を紹介します。サイト改善に役立つ情報ですので、ぜひ最後までお読みください。
目次
構造化データとは?
構造化データとはGoogleがウェブサイトの内容を具体的に認識するために利用される情報です。構造化データを取り扱うにはいくつかの形式があり、HTMLファイルに記述する必要があります。Googleのドキュメントには以下のような具体例が示されています。(引用元:求人情報(JobPosting)の構造化データ)
<html>
<head>
<title>Software Engineer</title>
<script type="application/ld+json">
{
"@context" : "https://schema.org/",
"@type" : "JobPosting",
"title" : "Software Engineer",
"description" : "<p>Google aspires to be an organization that reflects the globally diverse audience that our products and technology serve. We believe that in addition to hiring the best talent, a diversity of perspectives, ideas and cultures leads to the creation of better products and services.</p>",
"identifier": {
"@type": "PropertyValue",
"name": "Google",
"value": "1234567"
},
"datePosted" : "2017-01-18",
"validThrough" : "2017-03-18T00:00",
"employmentType" : "CONTRACTOR",
"hiringOrganization" : {
"@type" : "Organization",
"name" : "Google",
"sameAs" : "https://www.google.com",
"logo" : "https://www.example.com/images/logo.png"
},
"jobLocation": {
"@type": "Place",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "1600 Amphitheatre Pkwy",
"addressLocality": "Mountain View",
"addressRegion": "CA",
"postalCode": "94043",
"addressCountry": "US"
}
},
"baseSalary": {
"@type": "MonetaryAmount",
"currency": "USD",
"value": {
"@type": "QuantitativeValue",
"value": 40.00,
"unitText": "HOUR"
}
}
}
</script>
</head>
<body>
</body>
</html>
この構造化データは求人情報が記述されています。各ページの内容に沿った構造化データを記述しなければなりません。もし構造化データに記載される内容とページの内容に齟齬があると、うまく機能しないので注意が必要です。
構造化データが正常にGoogleに認識されると、ユーザーの検索ワードに合わせて、検索結果の表示が変化することがあります。
構造化データが利用されている検索結果の例
構造化データが正常に認識された場合、検索結果に表示される情報量が増えます。これをリッチリザルトと言います。
リッチリザルトは30種類以上あります。これらすべてを覚える必要はありません。リッチリザルトを表示させるには、先述したような構造化データが必要です。
注意点として、構造化データがなくてもリッチリザルトが表示される場合があります。しかし、どういったメカニズムで表示されているかは公開されていません。そのため、積極的にリッチリザルトを活用したいのであれば、構造化データを記述しておくほうが良いでしょう。
代表的なリッチリザルトについていくつか例を見てみましょう。
記事の構造化データ
記事のリッチリザルトはニュースやプレスリリースの検索結果で表示されます。画像、記事タイトル、いつ公開されたかが一目でわかるようになっています。
ローカルビジネスの構造化データ
飲食店や美容院など、実店舗でサービスを提供するビジネスを展開している場合、ビジネス情報を構造化データとして記述することで、検索結果にリッチリザルトが表示されることがあります。
飲食店であれば、「営業時間」「予算感」といった情報を記述すれば、店舗の情報が並びます。
検索ワードに特定地域を含めない場合は、ユーザーの位置情報に近いものが優先的に表示されるため、ぜひリッチリザルトに対応しておきたいですね。
求人情報の構造化データ
求人情報のページに構造化データを追記すれば、自社の求人情報をより目立たせられるかもしれません。
通常は、自社のウェブサイトに訪れてもらわないと求人情報の詳細を伝えられませんが、構造化データを設定していれば、検索結果画面で「時給」や「雇用形態」といった求人情報が表示されます。
ユーザーにとっては利便性が高まる上、自社はより条件にあったユーザーがサイトに流入する期待が高まります。
以下は「介護」+「求人」で検索した場合のリッチリザルトの例です。
求人情報は、必ずしも構造化データを記述していなくてもリッチリザルトに表示される場合があります。これはGoogleが求人情報掲載サイトの情報を集めているからです。
ただし、第三者の求人情報サイトに記載されている情報を元に、リッチリザルトが表示された場合、そのリンク先は自社のウェブサイトではなく、掲載元の求人情報サイトです。
自社の採用サイトに魅力的なコンテンツを用意している場合は、リッチリザルト経由で自社のウェブサイトへの流入を増やせると良いでしょう。
構造化データを追加するメリット
構造化データがどのようなものかがわかったところで、改めてメリットを確かめておきましょう。
構造化データが適切に設定されていれば、リッチリザルトが表示され、ユーザーの興味を惹けます。他のSEOやマーケティング施策と比較すると、時間や金銭のコストは高くありません。
多くの方は、SEOと聞くと「特定のキーワード検索における表示順位の向上」を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、これは簡単ではありません。自社ウェブサイト自体の価値を上げてGoogleの評価を獲得しなければならないため、時間も労力もかかるからです。
自社の社名や商品名での検索が理想ですが、多くのユーザーに自社の社名や商品名を知ってもらうには、オフライン施策も含めた認知向上施策が必要です。
予算が確保できればリスティング広告の活用も候補にあげられますが、ランニングコストがかかります。
こうした施策に比べると、導入コストのみで効果が期待できる構造化データは、検討価値が充分あるでしょう。仕様の変更への対応など、継続的な情報収集とメンテナンスは必要ですが、一度リッチリザルトが表示されれば、安定した効果を期待できます。
まとめ
この記事では構造化データについて解説しました。
構造化データを使用すると、Google がサイトのコンテンツを理解しやすくなり、ページ内容に合った特別な検索結果が表示されます。
構造化データの取り扱いは専門的な知識なため、初心者には簡単ではありません。しかし、一度導入してしまえば、継続的な効果が期待できます。
この機会に自社に関する検索の結果がどのように表示されているのか確かめてはいかがでしょうか?もし、リッチリザルトに対応していないようでしたら、構造化データの実装を検討してみましょう。
この記事が皆さまの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。