リテンションマネジメントとは?社員の離職防止に有効な取り組みをご紹介

人事や採用業務に携わる方であれば、「リテンションマネジメント」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

リテンションマネジメントは、「人材定着」や「従業員の活躍」を長期的に維持するための戦略や施策を指します。人材の流動性が高まる昨今、優秀な社員に長く在籍してもらうことは、企業にとって重要な課題です。

この記事では、採用担当者に向けて、リテンションマネジメントの重要性とその実践方法について紹介します。

リテンションマネジメントとは?

リテンションマネジメントとは、企業が従業員の雇用を長期間にわたって維持し、離職率を低く抑えるための戦略や施策を指します。

リテンション(retention)には、「保持」や「維持」といった意味があります。

一言で言い表すなら「人材の確保」です。

特に、優秀な人材の離職を防ぎ、組織の知識やスキルを保持するために必要なリテンションマネジメントが注目されています。

なぜリテンションマネジメントが重要なのか?

なぜ今、リテンションマネジメントが注目されているのでしょうか? そこには、現代の日本全体が抱えている社会問題や、雇用への考え方の変化が関係しています。

リテンションマネジメントの重要性は、近年の労働市場の動向や働き方の変化を考慮すると一層明らかです。特に、「転職エージェント」や「退職代行」の存在が、この重要性を強調しています。

転職エージェント

転職エージェントは、求職者と企業をマッチングさせるサービスを提供します。

求職者はエージェントを通じて自分に適した仕事を探しやすくなり、企業も優れた人材を効率的に見つけられます。近年の人材流動性の高まりに合わせて、転職支援サービスの内容は充実しています。従業員は転職の選択肢を常に持ち続けていると考えられます。

求職者の視点……キャリアアップや報酬の向上を求めて、積極的に転職を考える人が増えている。

企業の視点……競争力のある人材を引きつけるために、魅力的な労働条件や職場環境を提供する必要がある。

退職代行

退職代行サービスは、従業員が円滑に退職できるよう支援するサービスです。特に退職に対する心理的な障壁を減少させるため、新卒社員にも利用されています。2024年にはテレビでも取り上げられました。

退職代行サービス 新卒も利用 弁護士監修で本人に代わり意思伝達の会社では | NHK

従業員の視点……退職が容易になったことで、ストレスフリーに新たな職場へ移動できる環境が整っている。

企業の視点……退職を防ぐためには、従業員が会社に対して満足感を持ち続けることがますます重要。

リテンションマネジメントのメリット

これらのサービスが普及する中で、企業にとって優秀な人材を引き留めることがますます難しくなっています。そこで注目されているのがリテンションマネジメントです。

リテンションマネジメントには以下のようなメリットがあります。

  • コスト削減: 新しい人材の採用と育成には時間とコストがかかります。既存の従業員を引き留めることでこれらのコストを抑えられます。
  • 知識の保持: 長期にわたって在籍する従業員は、企業の文化やプロセスに深い理解を持っています。後輩の教育に活かせるノウハウは、企業を存続させるために必要な資産です。
  • 生産性の向上: 経験豊富な従業員が在籍し続けることで、チームの生産性や業務効率が向上します。
  • 組織の安定: 従業員の高い離職率は、組織全体に不安定感をもたらし、残った従業員のモチベーションやエンゲージメントにも悪影響を与えます。従業員の定着率を高く維持すること自体が、従業員からのロイヤリティ向上に繋がります。

リテンションマネジメントの施策

リテンションマネジメントの具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。

職場環境の改善

働きやすい環境を整え、従業員のストレスを軽減します。オフィス設備の充実や、勤務時間や働く場所に関するルールを整備することで実現できます。

よく挙げられる実例としては、「リモートワーク」、「フリーアドレス」、「フレックスタイム制」などがあります。

就業規則の見直しや、セキュリティ対策も考慮しなければなりませんが、働きやすさの向上は多くの従業員にポジティブな影響を与えます。

キャリアパスの提供

成長機会を提供し、キャリアアップの道を明確にします。所属企業でどのような経験を積めるかは、多くの人から高い関心があります。キャリアアップの道を明確にすることで、中長期的な従業員のモチベーション継続を促せます。

具体的な例としては、「自社におけるキャリアマップの作成」、「リスキリング」、「研修参加や資格取得支援」などがあります。

報酬と福利厚生の充実

市場に競争力のある報酬や福利厚生を提供します。スキルや経験値に見合った報酬が支払われているか、評価制度と合わせて見直すことは影響の大きい施策です。企業によっては「インセンティブ制度」や「持ち株制度」なども検討の余地があるでしょう。

また、自社のビジョンや社風に合った福利厚生を導入することも、従業員のエンゲージメントを高める効果が期待できます。

ワークライフバランスの支援

働き方が多様化している昨今、ワークライフバランスの支援は欠かせない要素になりました。労働時間の短縮、子育て支援、副業の認可など、従業員の声に合った制度の導入を検討してみましょう。

また、業務とプライベートを混同しないように配慮する文化も重要です。残業が発生しがちな業務フローの見直しや、業務外のイベントへの参加を任意とするなど、従業員のプライベートな時間が尊重されることが好まれる傾向にあります。

コミュニケーションの促進

定期的なフィードバックやコミュニケーションを通じて、従業員の意見を尊重します。

昔ながらの対面でのコミュニケーションから、ツールを利用したコミュニケーションまで、さまざまな方法があります。自社に合ったコミュニケーションの促進方法を模索してみましょう。

実施例:「交流イベントの開催」「1on1ミーティングの実施」「社内SNSツールの導入」「カウンセラーを設置する」

これらの施策を通じて、企業は従業員の満足度を高める効果が期待できます。結果として、優秀な人材の流出を防ぎ、組織の競争力を維持できます。

まとめ

この記事では、リテンションマネジメントの重要性や実施方法について紹介いたしました。

転職エージェントや退職代行サービスが広く知られるようになり、企業の人材確保はますます難しくなっていきます。

優秀な社員に愛着を持って働いてもらうためにも、魅力を発信しつづけ、従業員満足度を維持する努力が求められています。

今回紹介したリテンションマネジメントの方法以外にも、企業ごとの特徴に合ったリテンションマネジメントの方法があると思います。

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執筆者プロフィール

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ムライ

e-Lab Web Directer / イーラボ! Project Leader
IT業界未経験ながら入社半年ほどで、新規事業の立ち上げメンバーに抜擢される。
ライター経験もあることから、イーラボ!では編集長を担当。
休日は格闘技観戦と麻雀。